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デニム生地を知ることは、ジーンズを知ること。

October 15, 2017

 

 

デニム。私たちの身近にあって、様々な製品に使われている素材。

そのデニムについて、掘り下げて考えてみようというコラムの続編です。

ここで言うデニムとは、デニム生地を指します。

デニム生地にまつわる話は沢山あります。先のコラムではデニムの成り立ち、織り方や、染め方、表記単位であるオンスなどに触れました。

 

 

 

 

デニムの製造工程

どうのようにデニム生地ができ上がってくるのか。その工程は大きく分けてこのような流れになります。

 

 

○撚糸

糸を束にして撚り(より)をかける作業。

撚りをかける事により、丈夫な一本の糸として使えるようになります。

 

撚りをかける回数 (撚糸の単位は、1メートルあたり糸が何回転したか)や

撚りの方向、糸の太さを変える、又は一度撚りをかけた糸を何本かそろえて逆方向に回転させて一本の糸にしたり等様々な方法があります。

 

撚りをかけた糸を染色するために綛(かせ)にします。

かせとは一定の長さで巻かれた輪っかの状態を言います。

 

○染色
ロープ状に束ねた糸を合成インディゴ溶液の槽に端から順に浸けていき、引き上げてローラーで絞り、空気にさらして酸化させることで青く染めます。

 

 

 

○糊(のり)付け
染色した糸が機械で生地を織るときに切れないように、でん粉や合成のりをコーティングします。

 

○整経

糊を付けた糸を幅1メートルぐらいのビーム(糸巻き)に巻き付けます。
通常のデニムの場合、約3,000本を巻きます。

 

○綜(そう)こう通し
小さな穴の付いた針がね「綜こう」に糸を通します。たて糸が3,000本の場合は3,000本を手作業で通します。
綜こう通しは熟練した職人でも約1日掛かる作業です。

 

○製織
これまでの作業で準備したビーム(糸巻き)をタテ糸にして、ヨコの糸と交じらせます。シャトル織機で織っていきます。シャトル織機とは自動織機または力織機とも呼ばれています。大量生産する機械が出てくる前に使用されていた織機です。シャトル(または杼)という横糸を巻きつけた糸を入れる木製の入れ物をピンと張った縦糸を上下に分けた隙間に一方の端から反対側の端まで左右を通して布を織ります。

 

 

 

○ 整理加工
織りあがったデニムの生地を必要に応じて加工する工程です。

整理加工は様々な作業があります。

最終デニムになった際にどの様な仕上がりにしたいかによって加工を選択します。

 

このような流れで糸の状態から、生地と言われる状態になります。

 

織機について

製織の項目でシャトル織機という言葉が出てきましたが、デニム生地を織る織機も大きく2種類あります。

シャトル(杼)を使ってヨコ糸を送る、有杼織機とシャトルを使わず別の方法でヨコ糸を送る無杼織機です。

 

シャトル織機は織り上げるスピードが遅く、1時間に約5mほどしかデニム生地を織ることができません。また生地の幅も29インチまでしか織れません。現代の織機に比べるととても生産性が悪くなります。

しかし、ゆっくり織り上げたデニム生地には綿糸本来の凹凸が残りいい意味でムラができます。これこそがデニム生地の風合いになり、ジーンズの愛好家たちが求める色落ちなどにも大きく関わります。そして、シャトル織機で織られたデニム生地には、セルヴィッチ(耳)と言われるものが生まれます。その理由は、シャトルがタテ糸の間をかいくぐり、左右に行ったり来たり往復しながらヨコ糸を送ることで、いわゆる”耳”の端ができます。これもシャトル織機で織られたデニム生地の大きな特徴です。

シャトル織機は扱いが難しく、熟練した職人が調整をしながら織らないとちゃんとした生地が出来上がらない、非常に手間がかかる織機です。

 

 

 

 

無杼織機には生地の生産性を上げるために進化していた織機です。ヨコ糸の送りをシャトルの代わりに風圧や水で緯糸を送るため高速で生地を織ることができます。また生地幅も48インチとシャトル織機の倍近い幅で織れます。

しかし、糸にテンションをかけて高速で織り上げるので生地の表面が平になりすぎ、表情の少ない生地になるものが多いです。

 

はく人の好みはありますが、手間をかけて職人が作ったデニム生地は独特の風合いと良い

色落ちが楽しめます。

 

 

生機のデニム

 

生デニム、現代では様々な呼び方で呼ばれることも多いので、他の呼び名で聞いたこともあるかもしれませんね。

先にお話したデニム生地の製造工程の中で、製織が終わった段階、整理加工がされていない生地のことを言います。

英語ではロウ・デニム(RAW Denim)と呼びます。Rawは「生の、加工していない」と言う意味です。

アパレル業界の人達や、デニムに関わる仕事している人達の中では、生機(きばた)という呼び方をする人もおります。生機は、織り上げたままの、精錬、漂白、染色、仕上げ加工など、まったく行っていない織物のことを言います。

生デニム、RAW Denim、生機のデニムとは、全て未加工のデニムの生地のことを指します。

 

 

 

 

では、未加工とはどういうことでしょうか。

 

現在流通しているジーンズのほとんどは加工されたデニムを使用しています。

このように聞くと、あれっと思われる方もおられるかも知れませんね。

 

加工と聞くとユーズド加工や、ダメージ加工などが頭に浮かびますが、特に一般的に行なわれているのが主にはこの5つの加工です。

・のり抜き

・防縮加工(サンフォライズ)

・斜行止め加工(スキュー)

・毛焼き加工

 

”のり抜き”は糸の段階で付けたのりを取る作業。

水に通してのりを抜きます。

 

”防縮加工(サンフォライズ)”は、古くから行われている加工の一つで

強制的に生地を縮ませ、製品を洗って乾燥してもほとんど縮まないようにする加工。

ゴムのラバーを通すことによって防縮します。

 

”斜行止め加工”は、綾織物では特に必須の加工で

縫製/洗い加工後、縫い合わせた部分のズレ(よじれ)を防ぐ役割を持っています。

 

”毛焼き加工”は、生地の表面をバーナーなどで焼いて

毛羽などを取り除いたり、表面にツヤを出し生地のツラを綺麗にする加工。

 

このような後加工を生機のデニムに施すことによって、ジーンズのなどの製品になった時に、縮みやよじれなどの生地の変化を起こりづらくします。

 

私たちが目にする多くのジーンズはこうした加工をしたデニム生地が使われているのです。

 

 

ビンテージジーンズでは古い年代のものになると、生デニムが使用されているものが多くなります。防縮加工(サンフォライズ)は1920年代には開発されいるので、メーカーによってはビンテージジーンズやワークウェアで使用されているものも多くあります。

 

生機のデニムは洗うと大きく縮みます。(防縮加工の未洗いのデニムも洗濯すると多少縮みます。しかし、生機と比べると縮みは小さいです。)また綾織りの特性上、よじれも起こります。その変化を楽しみながら、自分の体に合わせジーンズを育てていくというのがジーンズの本質を味わえる楽しみ方ではないでしょうか。

 

 

 

 

先ほど言った整理加工の種類と内容を見返すと、生機の生地の持つ特性(言い換えると欠点と言えるかもしれません)を解消するための加工と言えるでしょう。これは、現代において大量生産、大量消費を前提とし、クレームなどのリスクを回避するための工程なのかもしれません。

 

デニム生地の成り立ちと、生機のデニムの特性を知っていくと今の時代に取り除かれているものこそ、ジーンズを楽しむ上で大切なものではないかと気づきます。

 

世の中には星の数ほどジーンズがあり、多くのデニム生地が作られております。その中から本当に良いデニム生地を見つけていくのは簡単な話ではありません。

 

 

身近にあるもの、今や生活に欠かせないものとなったジーンズだからこそ、より深く知ることで愛着もわき、長く楽しめる。このコラムがそんなきっかけになれば幸いです。

 

 

 

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