ジーンズの向こう側。新しいジーンズ選びの視点。
ロマン溢れるジーンズを選びたい。普段とは違う視点からジーンズについて考えていくコラムの第2回目。 先のコラムで、日本には、世界でも稀な生産体制を持ち、1940年代のジーンズの生産に特化した縫製工場がありますというお話をしました。その工場のオリジナルブランドのジーンズを紐解き、細部から時代を感じさせるロマンを見つけていきたいと思います。 1940年代の半ばまで続いた第二次世界大戦は、産業にも様々な影響を与えました。ジーンズが受けたその最たるものが、物資統制と言われるディテールの制限です。 この影響を受けた「大戦モデル」は限られた期間のみ作られた希少なジーンズです。今回はそのジーンズの表現を裏側から見ていきます。 フロントフライの内側 1947年までフロントフライの小股部分とオーバーロック部分の下の生地は切りっぱなし縫製と言われる始末をしない方法で仕上げられておりました。 フロントフライの小股部分は47年以降、生地が内側に折り込まれ見た目にも奇麗な仕上げに変ります。しかし、大戦時は先端の処理がされず、デニム生地を切ったままなので、洗うと生地の縁がほつ