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ジーンズってどうやって縫われているの?


ジーンズが好きな人でも、縫製に関しては中々知る機会がないですよね。

ビンテージの年代を見極めるのに縫い方を見るなんていうこともありますが、縫製の細かい工程や種類を把握している人は縫製業に関わる人でないと分からないことが多いと思います。

ジーンズを1本完成させようと思うと、最低でも8種類のミシンが必要になります。ジーンズの生地となるデニム生地はオンスにもよりますが、厚物と分類される生地の中でも厚みのあるものですから、縫う力が強い工業用ミシンを使用します。

家庭用ミシンは1台で様々な縫い方ができるようになっておりますが、工業用ミシンは1種類の縫い方しかできません。そのため、縫い方の異なるミシンが必要になってくるのです。

ミシンの種類はまた機会にお話させて頂きますが、今回は縫い方の種類についてお話を進めていきます。

ジーンズの縫製、縫い方の種類というとジーンズ好きの方達の口から一番最初に出てくるのチェーンステッチではないでしょうか。

ジーンズの裾の縫い方として、雑誌などでも多く取り上げれられ、ジーンズ用語として広く認知されている縫い方です。

では、他にはどんな縫い方がされているのでしょうか。

そうなると中々思い浮かびませんね。

昔、家庭科の授業で様々な縫い方の話を聞いているはずですが、そんなことは現在、全く覚えていません。そんな方がほとんどだと思います。

縫い方の種類は様々なものがあります。

ジーンズの縫製に使われている縫い方もいくつかありますが、大きく分けると4つの縫い方になります。

本縫い

二重環縫い

オーバーロック

閂止め

他にも上の縫い方を発展させたものがあります。

それぞれ、使用箇所、使用頻度は違います。工場によっては、同じ縫い方でも箇所ごとに使用ミシンを変えるところもあります。

それぞれ、どういう縫い方か見ていきましょう。

本縫いとは

シングルステッチ、LOCK STITCH(ロックステッチ)とも言われる縫い方で、生地と生地を縫い合わせる縫製方法として古くから衣料品を初め、多くのものに使われている縫い方です。縫い目の表裏が同じであること、縫い目の構成が1縫い目ごとに独立しているために、ほどけ難いこと、及び返し縫いが容易に出来る等のことから、特に強度の点について問題とならない最終的な押さえ縫い、または飾り縫い的用途に広く使用されています。

ジーンズではこの本縫いが多くの箇所で使用されます。

フロントフライ、ポケット、アウトシーム、小股など。

本縫いは生地と生地を縫い合わせる力の強固さ・摩擦等への耐久性に優れています。そのため、ジーンズでもしっかりと生地同士を繋ぎ合わせないといけない所や、着用、使用していて摩擦が多い部分に使われています。

二重環縫いとは

一般的にジーンズの縫製などでチェーンステッチと言われているものをさします。

表側は本縫いと同じように1本の縫い目でしが、裏側が鎖の目のような形になることからチェーンステッチ呼ばれています。

単環縫いと言われる糸が1本で縫うものもありますが、ジーンズ縫製で使われているチェーンステッキは上糸、下糸の2本が互いに交錯して鎖目が作られていく二重環縫いが使われます。

下糸が二重に上糸と交錯しているために、糸が切れた場合でも縫い終わりの方向から逆の方向にほどかない限りほどけ難く、縫い目の強度にも優れ、また伸縮性もあります。ジーンズでは、動作の中で負荷がかかりやすい、腰の帯の部分やバックヨーク、インシームなどで使われます。

オーバーロックとは

ふちかがり縫いと言われるうい方を総称してオーバーロックと言います。布地の端を包むようにして縫い目が作られますので、2枚の布地の縫い合わせにも使用されますが、1枚の布地の縁の始末や、飾り縫いの目的としても使用され、用途範囲が非常に多いです。ジーンズでは主に1本針3本糸が使われます。デニム生地の切れ端のほつれを押さえるために使われています。

閂止めとは

俗にいう止め縫いの一種です。バータックとも呼ばれます。「かんぬきどめ」又は単に「かんどめ」と呼ばれます。縫い止まりはどうしても弱く、力が加わるとほつれてきます。そこで、ほつれてこないように補強する目的で行うのが閂止めです。

ジーンズではポケット口の補強、ベルトループ、小股などで使われています。元々、リベットで補強されていた所が、ミシンの進歩により閂止めに変っていきます。

一口に縫製といっても色々ありまますね。それぞれの役割も違います。ジーンズは元々作業服だったので、動きやすさや強度を考えて作られておりました。そのため、縫い方や縫う箇所によって適材適所な縫い方がされております。自分のジーンズにどのような縫製が使われているのか、そのようなことを考えながらジーンズを見てみるのも面白いと思います。


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